SOAPとはどういうものか。4点のRESTと異なるポイント。

先日SOAPを使用する機会があり、WSDLなるファイルからソースコードを自動生成して使用してみました。SOAPは通信規格というくくりでRESTとよく比較されるようです。

RESTについては次の記事を書いた際に学んだので理解しているのですが、SOAPはRESTとテクノロジーが異なりすぎてよく分かりませんでした。

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そこで今回の記事では、SOAPを理解するために調査したことをまとめます。

SOAPとは

SOAP は、通信プロトコルの仕様で、W3Cが仕様策定しています。Version 1.1 のときには Simple Object Access Protocol の略称とされていました。しかし、最新版である Version 1.2 の際には略称ではなく SOAP は SOAP なのだとされています。

SOAPは、XML(eXtensible Markup Language)形式のメッセージを使用して、異なるプラットフォームやプログラミング言語間での相互操作を実現します。以下に、SOAPとRESTの主な違いを説明します。

1.アーキテクチャの違い

SOAP: SOAPは、RPC(Remote Procedure Call)スタイルのアーキテクチャを採用しています。つまり、SOAPメッセージは、リモートのサービスに対する操作(メソッド呼び出し)を表現します。SOAPでは、WSDL(Web Services Description Language)を使用して、サービスのインターフェースを定義します。

REST: REST(Representational State Transfer)は、アーキテクチャスタイルであり、Webリソースに対する状態変更を行うための方法を提供します。RESTでは、URLを使用してリソースを識別し、HTTPメソッド(GET、POST、PUT、DELETEなど)を使用して操作を表現します。RESTは、シンプルで柔軟なアーキテクチャとして知られています。

2.メッセージ形式の違い

SOAP: SOAPメッセージは、XML形式で定義されます。メッセージはSOAPボディ内にパラメータやデータを含み、SOAPヘッダ内に追加の情報を持つこともあります。SOAPでは、異なるプラットフォーム間でのデータ交換にXMLのパーシャルシリアライゼーション(marshalling/unmarshalling)が必要です。

REST: RESTでは、一般的にJSON(JavaScript Object Notation)が使用されます。JSONは、テキストベースのデータ形式であり、軽量かつ扱いやすいです。RESTは、XMLよりもシンプルなデータ形式を使用することで、ネットワーク上のデータ転送を効率化します。

3.ステートフル/ステートレスの違い

SOAP: SOAPはステートフルです。つまり、リクエストとレスポンスの間で状態を保持することができます。SOAPヘッダにセッション情報を含めることができます。これにより、状態の管理やトランザクションの処理が可能になります。

REST: RESTはステートレスです。各リクエストは完全に独立しており、サーバーはクライアントの状態を保持しません。クライアントは必要な情報をリクエスト内に含める必要があります。

4.拡張性の違い

SOAP: SOAPは、WSDLによってサービスのインターフェースを定義するため、強力な拡張性を持ちます。WSDLを使用することで、異なるメッセージフォーマットやトランスポートプロトコルをサポートすることができます。

REST: RESTは、拡張性に関しては柔軟ではありません。一般的には、JSONを使用し、既存のHTTPメソッドとステータスコードを利用します。ただし、カスタムヘッダやクエリパラメータを使用して、拡張機能を追加することも可能です。

SOAPとRESTは、異なるアプローチを持つWebサービス間の通信プロトコルです。SOAPはより重量で形式的なアプローチであり、企業環境などでの厳密なインターフェース定義やセキュリティ要件が必要な場合に適しています。一方、RESTはシンプルで柔軟なアプローチであり、軽量なクライアントアプリケーションやモバイルアプリケーションなどに適しています。

参考

SOAP – W3C